【特集】日水コン×ANA 早稲田大学商学部の寄付講座に参加しました!

日水コン東北支所のエキスパートコーディネーター佐々木俊郎さんのパートナーとして6月14日に開催された早稲田大学商学部の寄付講座に参加させていただきました。

講座のテーマは「令和の新たな水ビジネス」で、山形県鶴岡市にある鶴岡浄化センターの施設や下水資源を活用した鶴岡市の事業の取り組みを紹介しました。

ANA SHONAI BLUE Ambassadorに挟まれる日水コン東北支所の佐々木さん

コロナウイルスの拡大やウクライナ問題、中国の輸出規制などの世界の情勢によって大きく影響を受けている日本の農業。飼料や肥料の価格が高騰し、入手困難に陥っています。現状がこのまま続くと、日本の農業はさらに大きな打撃を受けてしまいます。おいしい肉や魚介類、野菜を安定供給していくうえで、飼料や肥料の製造や開発は欠かすことが出来ません。

このような社会問題を、下水道資源を活用し解決しようと鶴岡浄化センターでは下水汚泥の処理過程で発生する消化ガスの発電で発生する熱を利用し、ビニールハウスで野菜を育てたり、副産物のコンポストを活用して農作物を育てるエコな取り組みを行なっています。

これまでの下水処理場の役割は、私たちが使った水を処理し川や海に流すだけでしたが、実はここには多くの資源が含まれており、これを活かさない手はないということで、次のような活用が始まっています。それを「BISTRO下水道」と名づけて推進しています。

①下水道資源のコンポスト

下水道資源を利用したコンポストを鶴岡市直営のコンポストセンターで1986年から製造しています。汚泥にはたくさん農作物にいい成分が含まれていますが、そのままの形では使えません。コンポストセンターで処理され、JA鶴岡が運営管理し、商品として販売されています。

②余剰熱を活用したビニールハウスで野菜を育てる

冬・春の寒さが厳しい鶴岡市にとってはビニールハウスの温度管理はとても重要です。浄化センターでは民設民営の発電施設にて消化ガス発電を行っており、その余剰熱を通常使用する重油に代わり、ビニールハウスに供給しています。下水道を再利用する際に発生する蒸気を設定された気温を下回ると自動的にハウス内に噴射し野菜が傷まないようにするものです。重油の使用を抑えることができ、とてもエコな取り組みです。

②鮎の飼育・給餌


浄化センター内に専用の池を設け、鮎を井戸水で養殖すると共に、その餌となる藻の培養にもチャレンジしています。芳香・食味等を向上させることにより、天然ものに引けを取らない鮎の出荷を目指します。漁業関係者の指導の下で2500匹の稚魚を育てています。今後、漁協やレストランと連携して安くておいしい養殖鮎の事業化を目指しています。

③水耕栽培「日水コン農園」

ANA SHONAI BLUE Ambassadorも農作業のお手伝い


 また、休耕地を復活させて事業展開が出来るように栽培実験も行っています。肥料には勿論「鶴岡コンポスト」を使用しています。この農園で今年は、鶴岡の名産品だだちゃ豆と私たちのリクエストでじゃがいもとさつまいもの栽培に挑戦しています。

今回、早稲田大学の授業に参加させていただき、私たちもとても勉強になりました。なぜANAの客室乗務員が浄化センターにいるんだ?と学生からたくさんの反響があったようです。これは私たちが大学の授業に参加した狙いでもありました。客室乗務員が下水道という分野とタッグを組むことによる意外性から話題になり、一般的にはあまりいい印象ではない下水道のイメージが変わる、そしてそこに注目が集まるなどの変化が生まれることを期待しています。これからもビストロ下水道の取り組みをたくさんの人に知っていただき、鶴岡浄化センターの皆様と連携し、活動してまいります。今回、皆さまがこの記事を読んで、「BISTRO下水道」の仕組み、取り組みに少しでも興味を持っていただけるととても嬉しいです!

今後も「BISTRO下水道」についてたくさん発信してまいりますので、どうぞご期待ください!!

以前の投稿でも【5/17】「じゅんかん育ち」エコな農業のお手伝いとは?についてご紹介しています。こちらの記事も是非ご覧ください。

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