【8/23】BISTRO下水道研究発表会に参加しました。

下水道資源の活用について考える「BISTRO下水道研究発表会in鶴岡」に参加させていただきました。鶴岡市の山形大学農学部のキャンパスで開催され、下水処理水や下水汚泥の有用性についての研究成果が発表されました。

2017年から鶴岡市、山形大学農学部、JA鶴岡日水コン水ingエンジニアリング東北サイエンスの産学官6団体が共同調査の協定を結び、下水道資源のさらなる有効利用を促進した様々な取り組みを行っています。

近年、食に対する関心が高まっていますが、日本は食糧輸入を通じて、実質的に海外から多くの水を輸入しています。これはバーチャルウォーターといわれてるもので、食料を輸入し消費している国において、輸入した食料を自国で生産すると仮定したときに必要と推定される水のことをいいます。例えば、1キログラムのトウモロコシを生産するためには、灌漑用水として1,800リットルが必要であり、そのような穀物を大量に消費する牛を育てるためにはさらに水が必要。1キログラムの牛肉を生産するためには穀物を生産する際の約2,0000倍の水が必要と推定されているそうです。一方、汚泥・処理水といった下水道資源は農業に貢献できる大きなポテンシャルを持っています。

新型コロナによる国際物流の混乱、穀物生産国での異常気象、日本の低金利政策による円安、ウクライナ情勢などの世界情勢により、食糧を安定的に供給できない危機が表面化しています。

今回の「BISTRO下水道研究発表会in鶴岡」では以下6つの研究の成果発表が行われました。
①地域産業と連携した下水汚泥肥料の事業採算性の高い循環システムの構築
 ー下水汚泥利用の新展開ー
鶴岡と兄弟都市である鹿児島から鹿児島工業高等専門学校教授 山内 正仁様による講演
②鶴岡市におけるビストロ下水道
③畜産業におけるビストロ下水道
④下水処理水活用による鮎・水耕栽培に関する調査報告
⑤余熱を利用した農業用ハウスの設計及び試験栽培結果
⑥下水消化ガス発電に係る発電余剰熱の有効利用に関する調査報告

私たちも春から、鶴岡市の「BISTRO下水道」の取り組みについて、実際に鶴岡浄化センターに足を運び、勉強させていただき、今年の6月に佐々木さんのご説明を聞きながら施設内を回りました。

鶴岡市では食・資源・経済を地域で循環させる、下水道資源を利用した様々な取り組みが行われています。具体的には、農業の堆肥となるコンポストを鶴岡市直営のコンポストセンターで製造、鶴岡浄化センターで余剰熱を活用したビニールハウスで野菜を栽培、休耕地を復活させて野菜を栽培、下水処理水を利活用して飼料米を栽培、下水汚泥を利活用して飼料用トウモロコシを栽培、鮎を井戸水で養殖すると共に、その餌となる藻を下水の再生水で培養など、その取り組みは多岐にわたります。

その過程があって今回の6つの発表を聞かせていただいたことで、BISTRO下水道の取り組みの意義深さ、大切さ、下水道資源の有用性を再認識することが出来ました。

私たちは発表会で、下水道と接点を持つようになり、何を学び、何を感じたか、今後どう関わればよいか、私たちの考えをお話しました。このような先進的なSDGsの取り組みを下水道や農業、畜産業に携わっておられる以外の方々にも知っていただくために、今後の展開も現在協議を始めているところです。

研究発表のあとは下水道資源の農業利用についてパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションの中で、下水道資源は今後、日本農業のキーとなるのではないかというお話がありました。今の世界情勢が続けば、日本の消費者の需要に応えられないような量の 食糧しか確保できない未来が来てしまう可能性があります。そのためにも、地域循環が可能なこの取り組みを生産者・消費者に知ってもらうこと、応援してもらうことが課題だそうです。

今回、「BISTRO下水道」に関わらせていただいたことで、理解が深まり、私たちもどんどんその魅力と可能性に引き込まれています。今後も産学官が連携して下水道資源の活用を推進し、その恩恵を受ける人を増やしていきたいと思います!

*NHKやまがたでも紹介されました。
鶴岡市 下水道処理施設から出る有用成分の活用成果発表会

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