2023年8月8日〜9日、鶴岡に接点がある総勢23名の学生が鶴岡の地域で活躍している人と交流し、その交流を通じて、「鶴岡での暮らし」や「鶴岡で働くとはどのようなことか」、鶴岡で自身が活躍するミライについて考える「つるおかミライ会議」を開催しました。
2日間、鶴岡で様々な分野で活躍している方々の話を聞き、学生たちは鶴岡には豊かな食文化、自然、歴史、産業があることを学びました。
◇【文化探求①】羽黒山 2446段登拝
まずは羽黒山の修験道を登り、山岳修行を体験しました。鶴岡出身でも2446段登ったのは初めてという学生がほとんどでした。山伏の早坂さんに出羽三山での修行や社の意味など解説していただきながら、石段を登りました。
出羽三山の杉並木は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの三つ星(わざわざ訪れる価値があるとされている観光地)に認定されている世界的にも観光地として注目されている場所です。夏の青々とした草木や杉並木の景色を堪能しました。
◇【文化探求②】斎館(さいかん) 精進料理体験
昔から羽黒山に伝わり、今も斎館でいただくことができる精進料理。料理長から出羽三山の麓で採れる旬の山菜や筍を使った素材についてお話いただきました。羽黒独特のしきたりを守り続けてきた伝統を料理から感じることができました。
◇【鶴岡文化探求③】シルクミライ館
歴史文化と先端産業が共存する松ケ岡地区にある「シルクミライ館」を訪問しました。鶴岡シルク(株)の社長からなぜシルク産業に従事するのか、なぜ鶴岡で仕事をするのか、鶴岡シルクの今後の展望について、お話していただきました。お話を聞き、鶴岡には何もないと思っていた学生たちの価値観がガラッと変わった様子でした。
◇【産業探求①】エルサンワイナリー松ケ岡
農業生産法人「エルサンワイナリー松ケ岡」が設立した自社のワイナリーが「ピノ・コッリーナ ファームガーデン&ワイナリー松ケ岡」です。羽黒地区の松ヶ岡に構えたこのワイナリーで、新しい日本産ワインづくりについてお話を聞きました。
◇先輩談話・パネルディスカッション・交流会@グランドエルサン
夜は鶴岡で活躍する先輩から今までの経歴や現在鶴岡で行っている仕事のお話を聞きました。
鶴岡で様々な分野で活躍する方から話を聞き、鶴岡の地域のミライや可能性、キャリアの選択肢がたくさんあることを学びました。
◇【産業探求②】鶴岡サイエンスパークツアー
2日目は鶴岡サイエンスパークの施設見学からスタートです。2001年に慶應義塾大学先端生命科学研究所の誘致・開設によって幕を開けた鶴岡サイエンスパークは今、世界が注目する実績とミライへの大きな可能性を持った街に成長しつつあります。サイエンスパーク内には多くのバイオベンチャー企業があり、新しい技術や製品が日々開発されています。実際に研究を行っている様子や取り組みを見学し、学生たちは鶴岡で世界の先端技術の研究がされていることにとても驚いていました。
◇【産業探求③】ヤマガタデザイン(株)
ヤマガタデザインは地方都市の課題を希望に変える街づくり会社として、山形庄内から日本の地方都市の課題を解決するモデル事業の創出に分野横断的に取り組んでいます。
教育事業の施設キッズドームソライを見学しました。
キッズドームソライは子どもたちの個性や天性に寄り添い「夢中体験を通して、ジブンを育む」学びの選択肢を地域に提供する施設です。
子どもたち一人一人が自分の夢中になれるものに没頭できるような様々な設備が完備されていました。
その後、ホテル事業の施設「スイデンテラス」を見学しました。
庄内地域を象徴する田んぼに着目し、地域の人にとって見慣れた田んぼが、外から訪れた人にとっては非日常の空間であると考え、「田んぼに浮かぶホテル」を作ったそうです。
現在は県内外から年間5万人以上の人が訪れる人気ホテルで、地域に大きな経済効果をもたらしています。
◇鶴岡・自分のミライワークショップ
様々な先輩からお話を聞き、施設を見学し、鶴岡探求のインプットを行った学生たち。最後は自分たちが学んだことをアウトプットするためのワークショップを行いました。参加した全員で、自分自身の今後の「生き方・働き方」について考え、2日間で発見した鶴岡の「魅力と課題」の中で自分ができることはあるのか考えました。
地域課題を解決するために、自分ができることはあるのか。今まで考えたことがないような内容に、頭を悩ませながらも、自分の得意なことややりたいことを整理し、言語化していくうちに、今後の展望がみえてきた学生が多かったです。
「自分はTVや広告に興味があるからPR映像を作りたい!」
「学生が地域の新しい事業をしているような人に出会う機会の場を作りたい!」
「若者が楽しめるような環境を作りたい!」
「アニメーションで鶴岡の歴史・文化を伝えたい!」など
学生の目線で自分たちにできることを考え、自分なりの答えを導き出すことができました。
時間が経つにつれ、学生たちが自分の考えを自己表現できるようになり、このワークショップはとても充実した時間になりました。
研修を終えた最後の感想では、
「この2日間を通して鶴岡の魅力をたくさん発見することができた」
「なにもないと思っていた鶴岡のことが好きになった」
という意見を多く聞くことができました。好きという思いは発信力の原動力となると思います。この学生たちが大学を卒業しても、一緒に鶴岡の明るいミライを作っていけるのではないかと感じる実りある研修になりました!