3月8日〜10日の3日間、鶴岡市の事業として鶴岡市出身で庄内域外に進学した大学生を対象として「つるおかミライ会議」が開催されました。これは、鶴岡市内を巡りながら、市内で活躍している“先輩”と交流を図るプログラムで、これまで知る機会がなかった鶴岡の魅力を発見することを目指すものです。
【1日目】
◆渡會酒造
鶴岡市大山地区にある渡會酒造の出羽の雪酒蔵見学と会長の渡会俊正さんのお話を伺いました。庄内だけでも18蔵ある酒蔵。米どころだからこそ美味しい日本酒が造れることはもちろん、その上に、日本各地・世界各地のファンや著名人の方々に支えられている、と会長は語ってくれました。
中には日本酒の魅力を知るのはこれから、という方もいましたが、過去に使われていた器具が綺麗に残されている事にも驚き、歴史を感じている様子でした。
◆加茂水族館
次に訪問したのは、クラゲ水族館としても有名な鶴岡市立加茂水族館。
1930年に開業された加茂水族館。90年以上もの歴史の中で、閉館の危機を乗り越え、現在の姿に至った経緯をお話くださいました。「クレイジーなことをしないと変わらない。好きなことだから、やり続けているんだ。」と加茂水族館の奥泉館長さんは言います。ただ単に見て楽しい加茂水族館ではなく、その経営について触れ、見方が変わった、という声があがりました。
加茂水族館では、バックヤードにも案内いただきました。普段は見れない場所や、クラゲの生育の現場を興味津々に見学しました。
◆先輩交流会
その後、鶴岡市で働いている”先輩”たちに、なぜ鶴岡で働くのか、鶴岡の魅力は何かをパネルディスカッション形式で聞きました。参加者とも意見交換を行ない、ざっくばらんにお話をすることで、互いに気づきを得られたようです。
【2日目】
◆鶴岡サイエンスパーク
2日目のスタートは、鶴岡の最先端の技術が集まる場所である鶴岡サイエンスパークから。国立がん研究センター鶴岡連携研究拠点の上原さんにご案内をいただき、サイエンスパークができた経緯、現在の研究の状況をご説明いただきながら、なぜこれだけの研究者がここに集っているのかを学びました。
◆KIDS DOME SORAI
ドーム型の特徴ある外観の「KIDS DOME SORAI」。SORAIは、庄内藩校「致道館」で古くから教えられた学問「徂徠学(そらいがく)」から由来しているとのころ。徂徠学には「天性重視 個性伸長」(生まれながらの個性に応じてその才能を伸ばすこと)という思想があり、SORAIでも子供たちが個性や感性を伸ばすための工夫が多くなされています。
◆ヤマガタデザイン 事業説明
ヤマガタデザインの藤原さんから、KIDS DOME SORAIやスイデンテラスをはじめとした、ヤマガタデザインの事業展開についてお話を聞きました。Uターン、Iターン者を増やし、鶴岡に活気をみなぎらせる取り組みに、参加者は真剣に耳を傾けていました。
◆シルク未来館
午後からは庄内藩士が刀を鍬に持ち替えて開墾した地である松ケ岡を訪問しました。松ケ岡のシルク未来館では、代表取締役の大和さんから、開墾やシルク産業の歴史を説明いただき、過去から未来へ継承していくことの大切さについて学びました。東京での若かりし頃のお話から、なぜ鶴岡市へ戻って「鶴岡のシルク」を継承しているのかもお話いただきました。「過去を学び、一周回って先駆者となる。」そんな想いを持って、日本全国・海外へと販路を拡大している鶴岡シルク(株)のミライも気になるところです…!
◆エルサンワイナリー松ケ岡
シルク未来館の次は、2021年秋に松ケ岡の地にオープンしたエルサンワイナリーへ。エル・サン会長の早坂さんは、現在80代ながらも多くの人々との繋がりを大切に、鶴岡を牽引してきました。70代後半から始めたワイナリー経営は、周囲の人から「そんなのできっこない」と否定ばかりされていたといいます。しかし、そんな否定を吹き飛ばし、夢を実現させた早坂さん。何歳になっても「夢を持ち続けて、行動に移す。」そんな熱い想いは、参加者にも響いたようです。
ワイナリー創設の話を聞いたあとは、ピノ・コッリーナ松ケ岡のジェネラル・マネージャー川島さんの案内でワイナリーの内部を見学しました。ワインの醸造過程のほか、どんなこだわりを持ってワイン造りをしているのかをお話しいただきました。
【3日目】
最終日は、これまで見たり聞いたりして感じたことを受けて参加した全員で、『鶴岡市の魅力』『生き方・働き方』についてのワークショップ。様々な企業に勤める大人との交流のなかで、それぞれが気づいたことを付箋に書いて、共通点を見出してカテゴリー分けしていきます。
そして、最後は、自分と鶴岡のミライを掛け合わせ、参加者のそれぞれが考えるミライを共有しました。やりたいことが明確ではなくても意見を交わすことで、自分がやりたい、こうありたいという姿を徐々に明確にしていく過程がうかがえました。
学生の皆さんにとっても、私たちANA SHONAI BLUE Ambassadorを含めた運営スタッフにとっても、お互いに様々な意見を交わせた貴重な機会となりました。
ご協力頂いた皆様、そして参加してくれた学生の皆様、お疲れさまでした。そして、この繋がりをぜひ今後のミライに繋げていければと思います!!!